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【ハピネス GAFA時代の人生戦略】誰かのために愛情を捧げることの大切さを教えてくれた!

2020年3月21日

GAFAについてのベストセラー本で有名なスコット・ギャロウェイ教授(ニューヨーク大学)の書籍レビューです。

前作がかなり面白かったので(また感想を書きます)、本著が書店の新刊コーナーに並んでいるのを見て迷わずレジに持っていくことにしました。

タイトルのサブ部分「ニューヨーク大学人気講義」にあるように、本書の形式は大学の学生に読み聞かせるような散文調になっています。

実際にはきちんとした書籍としてまとめられているのですが、形式的にはそんな感じです。

対象が若者向けに書かれており、中年を過ぎた私には向いていないかなと思いましたが、そんなことは全然ありませんでした。

確かにビジネス、家族観、人生観の多くは、経験を経た年配者が若者に教えを説くような内容になっていますが、その根底にある価値観は年齢や男女に関係なく、心に響くものだったと感じています。

今回はそんなギャロウェイ教授の書籍の中で特に響いた部分を、自分なりにレビューしていきたいと思います。

独特の人生観と他者への愛情が心を揺さぶる

スコット・ギャロウェイ教授はお母さんがイギリス人移民で(お父さんは分からないが、多分アメリカ以外の欧州からの移民)、幼いころに両親が離婚し、母親の手一つで育てられてきた前半生を歩んできています。

そのためか、若いころからアルバイトなどでお金を稼ぎ、できるだけ安定した生活を得ようと、試行錯誤して有名大学に入り(UCLA)、卒業後はモルガン・スタンレーで勤めることになります。

その後は会社を辞めてビジネス・スクールに入った後、起業して成功を収め、数々の会社を経営しながら、現在はニューヨーク大学スターン経済大学院の教授を務めるまでになっているのです。

こうやって経歴だけ見ていれば相当なエリートであることが分かるのですが、もちろん多くの成功者の例に漏れず、その成功の階段の中で多くの挫折や苦しみを経験し、それを糧として独特の人生観を培うに至っています。

本著で書かれたギャロウェイ氏の文体は正直に言って、かなり「面白い」

シニカルではないけども、一寸刺すような風刺を入れたり、自虐ネタを盛大に盛り込んだりと、この手のビジネス自己啓発系の本にありがちな「上から目線の押しつけがましさ」はまったく感じませんでした。

むしろ後半に進むにつれて、ギャロウェイ氏の両親のことや子供への溢れる愛情の記述に涙すら浮かべるときもありました。

その等身大の文体に、読み終えたときには、生身のギャロウェイ氏からお話を聞けたような感じで、心がジーンと温まる瞬間を得ることができました。

その一番大きい理由が「限りない他者への愛情」

氏が幼いころを過ごして限りない愛情を注いでくれたお母さん、妻、子供たちへの無償の愛、これらを説いた部分が自分の心のド直球でぶつかってきました。

40代まで仕事中心で、実生活でもすごく自己中心的な考えの持ち主だったと自分で語るギャロウェイ氏。

実際に離婚を数回経験し、精神的にも病んでいた時期の多かった氏は、薬なしで生活できない、いかにもアメリカの成功したビジネス経営者にありがちなパターンを踏襲しています。

そんな氏も子供ができてからその考えを改めたということ。

「子供」の存在はギャロウェイ氏の人生観を確実に大きく変えたといいます。

自分以外への無償の愛の喜び。

子供だけではなく、妻や友人、知り合いは見ず知らずの他者にも向けることが幸せにつながるんだよ、と氏は語るのです。

その考え方、思いやりがギャロウェイ氏の独特のユーモアと自虐ネタを含んだシャープな文章と相まって、この本を至極のものとしていると思いますし、何よりも読んでいる時も読んだ後も非常に温かく爽やかな気持ちになれました。

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心に残った言葉たち

究極的には「誰かへの愛情を持つことで人生は豊かになる」ことを語った本だと思うのですが、若い人を対象にした内容だけに、これから社会に飛び立とうとする若者への年配者からの優しい視線と厳しい視点が入り混じっています。

その中で特に心に残った言葉をまとめてみました。

【人生を共にする良いパートナーを選ぶこと】

どこで働くか、誰と騒ぐかが問題ではなく「肉体的に惹かれあう・生活面、金銭の価値観が同じ相手を伴侶に選ぶこと。

【できるだけ早く株と不動産を買い始めること】

「裕福」とは支出よりも多い受動的所得がある状態

【愛する人に良き死を与えること】

愛する人に穏やかな最期を迎えさせることができる立場にいるならば、迷わずにやること。その経験は今後の人生でずっと大事なものになる。(氏は自分の母親が末期がんを宣告されてから、最後の時まで自宅で一緒に過ごしていた)

【家族を持て】

父親になって、自分にふさわしい愛する人と共に子供を育てて初めて「なぜ自分はここにいるのか?」という人生の難問に答えを見いだせる

【クールな仕事につくな(投資するな)】

華やかな仕事(音楽、映画、ファッション、外食産業などサービス関連)の多くは、その報酬は労力に見合ったものではなく、心理的なものになる。投資をする場合でも、退屈そうな事業を選ぶべし。(鉄鉱、保険、殺虫剤の分野で成功を収めている金持ちも多い)

【大人になれ】

いずれ自分と親との役割は入れ替わる。いつかは親に問題解決を示す存在になること。親の面倒をみることは、子育てと同じくらいの満足感を得られる。

 

これ以外にも心に響く箇所はたくさんあるのですが、詳しいことはぜひとも書籍からご自分で感じてもらいたいと思います。

最後に本書で一番良かったなと思える部分を紹介します。

誰かにお返しをすること、自己中心主義を脱することの大切さに感動した

ギャロウェイ氏が子供の頃に両親が離婚したことは、先ほどの経歴のところで述べましたが、ある時期に母親のボーイフレンドと一緒に過ごす日々があったようです。

そのボーイフレンドは成功者で、ギャロウェイ一家の生活面の面倒も見てくれたといいます。

そんなボーイフレンドに子供だったギャロウェイ氏は「株について」尋ねました。

するとボーイフレンドは100ドル紙幣を2枚渡し、「これで株を買ってきなさい。どこでどう買うかは君は自分で調べられるはずだ。もし次に来たときに買ってなければ、それを返してもらうよ」と言ったのです。

ギャロウェイ氏はその言葉のまま、ある株ブローカーの会社を訪ねました。

最初は面食らっていた受付の社員も(相手が子供なので)、お金を渡されて株を買いたいということを聞くと、担当の社員を呼んできたのです。

その社員は親切にも子供のギャロウェイ氏をオフィスに通し、株についての講義を設けてくれました。

そして実際に株の運用を手伝ってくれて、母親にも電話でギャロウェイ氏のことをほめてくれたのです。

見ず知らずの子供に対してなんの見返りもなく、このような親切なことをしてくれた社員に対し、ギャロウェイ氏は高校を進学して以降は連絡を取らなくなったいました。

しかし40代を越えて人生について、自分についての内省を得ることで一つの考えに至ったのです。

「自分は与えられるばかりの人生だった」

ギャロウェイ氏はそれを変えようと思い、決心してかつての恩師であるその社員を行き先を調べ上げ、ついに電話で連絡を取り合うようになったのです。40年ぶりのことでした(2018年になっています)

その社員はすでに会社を辞めて独立していて、成功を収めた実業家になっていました。

そしてギャロウェイ氏にメールで「君の頑張りと成功はお母さんの教育の愛情のたまものだ。君自身の貪欲に知識を吸収しようとする姿勢も素晴らしかった。きみが幼い時に出会い、よい影響を与えることができて誇りに思う」と伝えています。

私はこの部分にひどく心を打たれて、涙ぐんでしまいました。

時を経て、かつての出会いを再開できた奇跡、それを受けてお母さんとギャロウェイを称えたこと、そしてその出会いを誇りに思う心・・・

ギャロウェイ氏が母親を看取る部分の記述と同様に、本著で最も感動した部分でした。

感動した理由は明らかです。

それはこの社員さんの「ブローカーの利益にもならない見ず知らずの子供を助けたこと(当時のギャロウェイ一家は株を買えるほど裕福ではなかった)」「40年前のことを覚えていて、ギャロウェイ氏の家族のこと、ギャロウェイ氏のこと、そして彼らへの優しい思いに溢れていること」に心打たれたからでした。

ギャロウェイ氏はほかにも「自己中心主義を脱することが幸せへの道だ」と述べています。

それにも様々な記述があるのですが、共通しているのが「親への感謝、子供への愛情、見ず知らずの誰かへの愛」

言葉にすると陳腐ですが、ギャロウェイ氏の波乱万丈で型破りな人生を通じて、その言葉はことのほか宝物のように私の心に響いてきたのでした。

まとめ

最初は流行りのビジネス本と思って手に取ったのですが、読み進めるうちに心が潤ってきて、最後にはなんだかすごく「ほっこり」した気分になれました。

家族や他者への愛について語るというだけなら、世の中にあるたくさんの書籍で十分に埋め合わせられるでしょう。

しかし本著で描かれたギャロウェイ氏の複雑な家族ヒストリーと、氏の歩んできた道のり、40代までひどく自己中で鬱病だった氏の成功者としての裏の一面が、一般的には陳腐になりがちな内容が「想像以上の温かさ」を持って、読者(私)の胸に響いたのだなと感じています。

文章も明瞭で、ジョークを交えつつ(時々どれが本音か分からなくなりますが)軽妙に語られるので、すごく読みやすい内容になっています。

これから社会に巣立っていく若い人にはもちろん、人生の半分を過ぎた中年世代にも自分の人生を振り返る意味で、ぜひとも読んでもらいたい本です。

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